小学校PTA活動に限界を感じる。PTA活動の何が問題か。解決策はどうか。あれこれ考えてみた。

子育てのヒント
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こんにちは。

平成30年度の1年間子どもが通う小学校のPTA副会長を担ってみて、率直に感じたこと、考えたことを書いていきたいと思います。
PTA活動に対して否定的な方にも、肯定的な方にもより良き方向に進むために参考になれば幸いです。

これから長文書いていきますが、結論はでています。
私はPTA活動は必要だと考えています。
しかし、沢山の課題を感じざるを得ませんでしたし、様々な慣習が本来のPTA活動を阻害しているものと感じています。

そもそもPTA活動って、どういった活動かご存知ですか?

児童,生徒の親と学校の教師が協力して教育効果の向上をはかることを目的とする学校単位の組織。アメリカで生れた組織で,日本では第2次世界大戦後アメリカ教育使節団の勧告,GHQの民間情報教育局の指導と文部省の協力により普及した。当初,実質的には戦前の後援会,父兄会と異ならないものが多く,会費も学校経営上の必要経費に充当されることが多かった。文部省は 53年に「参考規約」を示して「与えられた規約」から「みずから実行の責任を負う規約」への脱皮を指導し,他方,現場でも PTAの公費負担全廃の動きが強まり,ようやく成人団体として会員相互の学習活動や社会活動を進めるという本来のあり方が認識されるようになった。全国的組織として「日本父母と先生全国協議会」 (「日本 PTA全国協議会」) と「全国高等学校 PTA協議会」が結成されている。

コトバンクHPより

PTAは公的な機関ではありません。
もちろん加入が強制されるものでもなく、任意の団体となります。

ちなみに日本PTA全国協議会のHP綱領には次のように記載されています。

本会は、教育を本旨とし、特定の政党や宗教に偏ることなく、
小学校及び中学校におけるPTA活動を通して、
わが国における社会教育及び家庭教育の充実に努めるとともに、
家庭、学校、地域の連携を深め、子どもたちの健全育成と福祉の増進を図り、もって社会の発展に寄与する。

公益社団法人日本PTA全国協議会HPより

PTAは子どものための活動だけしていると考える方が多いのではないかと思いますが、本当は、家庭と学校、地域の連携を深めて、子ども達の健全育成と福祉の増進を図り、もって社会の発展に寄与する団体であるとされています。

PTAの基本はこのような形だと思います。
それでは、次に進めます。

なぜPTA活動は不人気なのか。

いわずもがな。PTA活動がなぜ不人気、毛嫌いされているのか、保護者の視点に立って書いていきたいと思います。
地域によっても活動は様々だとは思いますが、共感できる部分も多いのではないでしょうか。

1.PTAの仕事のやらされ感が半端ない。

小学生のお子さまをお持ちの保護者は、毎年4月はハラハラされるのではないでしょうか。大体4月の1回目の参観日の日に合わせて、PTAの役員決めのセレモニーがあります。

ほとんどの保護者はPTAの仕事は必要だと感じていますが、自分はしたくないと考えています。

クラスの役員決めでも顕著にその傾向は見られ、ほとんどの場合はくじ引きで決めることとされています。
仕事と偽って、参観日も含めて子どもを欠席させ、くじ引きすら引かないという方もいらっしゃいます。

2.PTAの仕事は大変だとしか聞こえてこない。

ほとんどの保護者の方はPTA活動には消極的です。なので、執行部や部長等の役職に就いていただける方というのは、そうそういるものではありません。

成り手がいないということは、とても危機的状況なので、当然知人・友人などから勧誘していきます。

しかしです。
現在の執行部の方々は、執行部の活動を行ってきたことに対して強い誇りを持っています。このため「仕事は大変だよ」ということを暗に伝えつつ、執行部に入らない?と勧誘します。

そりゃ誰も入らないですよね。

口が裂けても、簡単にできる仕事だから気軽に入りませんか、との勧誘はしないのです。
これまでの活動を自分で否定してしまいますから。

3.そもそもPTAがどのような活動をしているか分からない。

これも重要なポイントだと思います。

PTAの役に付いている方は、いつも忙しそうに動き回っているけれども、実際何をされているのか分からない。このような声が聞こえてきます。

実際、PTAの仕事は裏方の準備、後片付けの仕事がほとんどです。PTA行事は当たり前ですが、学校行事の一翼をPTAが担っています。

しかし、一般の保護者にはその活動が何を意味しているのか、いまいち理解されていません。

4.毎年同じ人が執行部にいて、偉そうにしている又は厳しい。

これは語弊があったらいけませんが、実際に私が昨年度まで一般の保護者だったときに、このように見えていたということはありません。

しかしながら、色々とお話を聞く中で、役員決めや各部会の活動などで、長く執行部を務めている方が色々と場を仕切ったり、活動の注意点や禁止事項等を説明する際にきつくお話されたりといったことが、偉そうだと捉えられる原因となっていると考えられます。

執行部に私が入ってみて、純粋に思ったことは、皆さま真剣にPTA活動を行っており、率直に頑張っているなという印象です。

5.平日、学校にきて作業をしなくてはならない。

これは実際にそうだと思います。
ただ執行部の方々みんなが一斉に平日結構な頻度学校に来ないといけない、というほどではありません。

しかしながら、現実問題としてお父さん、お母さんに限らず仕事をされている保護者の方は平日の日中にそう何度も学校に行くことはできません。

そのため、必然的に特定の仕事をされていないお母さんが学校にきて事務作業を行っているという現実があります。

6.一度執行部に入ると、抜け出せない。(やめることができない。)

これはコメントがしづらい部分ですが、本人が例えば1年で執行部を抜けたいなと考えれば、全然抜けることは可能です。
必ず次の役員を連れてこなければならないということもありませんし、もちろんペナルティもありません。

むしろ、大方知り合いからの勧誘によって執行部に入る方がほとんどだと思いますし、子どもが在学中の間は執行部にいようかなと考える保護者の方も多くいると思います。

執行部での年数を重ねると色々と詳しくなりますし、顔も広がります。
色々な人に頼られることも増えるため、周りから見ると、もしかしたらあの人ずーっとやっているな、と思われても仕方ありません。

それが、一度入ると抜けられないとの誤解を生んでいるものと思います。

以上、6点ほど、PTA活動が不人気と考えられる理由を挙げてみました。
印象としては、大方の保護者の方はPTA執行部に対しては好意的にみていると思います。大変だけど頑張っているな。と。

しかしながら、いざ自分にやってもらえないかと矛先が向くと、途端に拒絶反応を示してしまいます。
その当たりに何か解決策があるのではないでしょうか。

PTA活動には無駄な部分もある。

活動に無駄な部分がある。どのような仕事でも活動でも必ずあるものです。
PTA活動も例外ではありません。
無駄と思う部分について提議していきたいと思います。

1.PTA活動にそんなに細かいルールが必要か。

私がPTA活動に参加してみて、真っ先に感じたことは、活動におけるルールの多いこと。また細かいこと。

それが一度作って明文化されているのであれば、まだ分かります。
しかし、口承文化のように、「これはこうだからこうしてください。」、「前はこのようにしたからこのようにします。」といった具合なんです。
どうしようもありません。

経験年数が多いほどあれはこうだったと思い出すことができますが、新参者が入った場合、そもそも話についていけません。
何をみて勉強していいのかも分かりません。

そして、PTA活動における執行部が整理しておくべき大事な運用こそ明文化しておくべきだと思いますが、それは作られておらず(これは作るとまた難しい運用が待っているからだと思いますが。)、各部会等の活動の引き継ぎ書類の膨大さときたら、半端ないです。

まじめなお母さん方が多いのは分かります。
しかし、そんな大量の引き継ぎ書類を突き付けられる次の部長・副部長さんのことを考えたことはあるのでしょうか。
引き継ぎ書なんてものは、数枚くらいまで厳選して渡すべきです
次の部長さんなどが、自分たちで考えて活動をすればいいんです。

極論を言えば、その活動が例え失敗に終わってもいいんです。
だって、皆さん仕事でしているんじゃないんですから。

細かいルールや引き継ぎ書類を作らないと次の人に引き継げないと言いながら、膨大な引き継ぎ書類を作ることは、自己満足に過ぎません。
次の役員がいないいないと言いながら、せっせと仕事を作っていては何をしているか分かりませんよね。

2.会議が多く、長すぎる。また、決めることが明確でない。

ある部分仕方ないとも言えますが、あえて書いていきます。

大前提として、会議(集まり事)が多すぎます。
私が所属しているPTAでは、大体、月に1度は集まり事があります。

何をそんなに開く必要があるんですか。
年間行事等の日程決めなどは、会議に諮る必要があるのでしょうか。

会議は平日の朝に行われます。
仕事している人は参加したくても毎度は参加できません。そのような会議の開催の仕方をしていると、参加できないことに引け目を感じますし、それを見ている多くの保護者方は「うちは無理だ。」と思います。

全国的に、PTA執行部に入る人が少ない理由は、これです。
子どもが通う小学校の行事ごとには参加したいと思う保護者は少なからずいると思いますが、この会議の多さに、物理的な壁にぶつかってしまうのだと思います。

また、執行部の会議には校長や教頭も参加していただいています。
会長がしっかりとした、議事を進めようと考える人だと良いのですが、そうでない場合、議事が一向に進まないまま時間だけが過ぎていきます。

議論する内容が見えない。
見えても、結論を導き出す前に大きく道を逸れてしまう。

このような会議がとても多い。

3.多数の保護者、児童に対して至れり尽くせりすぎる。

執行部の仕事は、行事前の準備を滞りなく行うこと、行事の当日保護者から苦情が来ないように、最大限の配慮を行い、児童の満足度の高い内容とすること。

民間のイベント会社か何かに引けを取らない、緻密に練り上げられた事業が行われています。

そこまでのクオリティが学校行事において必要なのでしょうか。
そりゃ、最大限良い活動ができたらいいとは思いますが、仕事も生活も様々な保護者から集まった任意の組織がそこまでがっちりする必要があるのでしょうか。

私は、失敗や多少手を抜いたような行事運営となったとしても、全然いいと思います。例えばある保護者さんに事業がグズグズだったよと言われたとしますよね、「そうですよねー、素人集団なのでごめんなさいねー。なんなら役員になってやってみますか?」といったくらいでいいのだと思います。

ミクロな話ですけれども、保護者を集めた説明会をPTA主導で開催するとして、事前に執行部が集まって、きっちりと人数分の椅子を並べることまで必要なのでしょうか。自分たちでとらせて好きなように座ってもらったらいいじゃないですか。

そんな風に考えます。

では、どのような解決策を実行すれば、より良きPTA活動となるのか。

何をどうすればいいのか、考えていきます。
これまで書いてきたことの裏返しが答えに近いとは思いますが。

1.ポイントだけ押さえた簡潔な活動に組み替える。

提案します。
PTA活動の大変な部分の一つに各部会の運営があるかと思います。
これは執行部があまり口を出すことをなく、脈々と受け継がれてきたもので、会長、副会長になっている人はある程度どこかの部長などの経験者が多いと思います。

徹底的に活動の見直しを行うべきです。
それは部長さんではなく、部長さんと副会長とで協議をして、活動の無駄を出来る限りそぎ落とすべきです。

その際に、あるラインまではやろうという最低限のラインを引きます。
そして、そのラインを超える活動については、今年(又は来年度)からはやめるように項目立てていくと、活動を簡潔にしやすいと思います。

2.学校に来ると決めた日以外はこない。

これは、特定の方が様々な作業をするために学校に来ています。
やらないと事務が進まないから来ているのだとは思いますが、そんなことをされては、次に続く人は誰も引き受けてはくれません。

学校に来なくてはいけない日は、執行部全員が認識しておくべきだと思います。

例えば2~3週間前からいつ集まるか決めておき、役割をそれぞれその都度決めておくべきです。特定の人に負担がいかないように。

仕事でもないのに、のめりこみ過ぎるのは、自己満足でしかないと皆が認識すべきなんだと思います。

その上で、集まる必要がある日は最小限にするべきです。
その積み重ねが、将来も執行部に入っていただける人の確保につながるはずです。

3.会議開催の際には結論を文章にしておく。

議事というのは、フリーディスカッションではないので、特定のことについて協議する必要があるからディスカッションするんですよね。

だったら、その解答案も提示したうえで会議を開催するべきです。
あるテーマについて議論するのに、ゼロベースで皆様どう思いますか?なんてことしていたら日が暮れてしまいます。

このように進めたいと思いますが、よろしいですか?といった進行であるべきです。

また、ありがちな話として、理想論を語る方又は方針に反対する方が必ず現れます。その際には、代案を必ずその方に提案してもらうようにするべきです。

代案がないのに、理想論ばかり並べられても、会議を混ぜるだけで、何の解決にもなりません。

その当たり、おそらく進行は会長が行うことと思いますので、念頭に置きながら進めるといいのではないでしょうか。



とりあえず3点並べてみました。
この他にも、PTA活動をよりよくするために出来ることは沢山あるんだと思います。ただ、考えなければならないのは、活動をすればするほど、保護者は離れていってしまうということなんです。

理想は、保護者全員が平等に少しづつお手伝いをして、学校のため、保護者のため、地域のため、何より児童のために長いスパンで活動できる体制を維持することなのではないでしょうか。

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