プロローグ
私のパートナーは公務員歴20年の公務員。
世の中は空前の副業ブーム。
若い人から高齢者まで、老後の資金2,000万円を生み出すためにせっせと本業、副業、投資にとブームという大波に乗って、または的確に捉えて、さらに高みを目指している。
我が家の公務員さんはというと、世の中の流れに完全に逆行中。
命じられるままに日々の業務をこなして、夜遅くまでボロ雑巾のごとく搾られ、働き方改革の名のもとに、もはや手の付けられないくらい複雑多岐にわたる業務の効率化、合理化をせよと言い渡され、これ以上何をと同僚と悪態をつきながらも、必死にまたは空しく業務を減らす努力にまい進する。
そんな毎日。
私は思う。
そろそろ、セカンドキャリアを考えたらどうか。
世の中の評価はどうあれ、一部を除き公務員はとても能力が高い。
企画力、実行力、評価力は一般エリート企業社員と比してもそん色ないか、むしろ全体の奉仕者としての統一的なテーマのもと忠実かつ実直に業務にあたってきた公務員の能力は、他の分野でも十分に発揮できるだけの潜在力を秘めていると信じる。
公務員がセカンドキャリアを追えない仕組みが邪魔をしている
公務員に課された兼業禁止令
なぜなんだ!
公務員は国民の全体の奉仕者としてきっちりとその役目をはたしてきたではないか。
その能力を営利活動に活用したからといって、どのような弊害があるのか。
いかんなく自分の信じる能力を発揮できる場を与えた方が、かえって日々の公務活動にもまい進できると確信しているが。
国家公務員法第103条
職員は、営利を目的とする私企業(以下「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員等の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
地方公務員法第38条
職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
細かくは述べないが、つまりは兼業をしてはならないということである。
法律に規定されている以上、どうしようもない。
世の中のブームである副業うんたらも、公務員は蚊帳の外ということだ。
悪魔のささやき、年功序列、定期昇給の罠
不景気になると、世の中において公務員に対するバッシングが威勢を増す。
いわゆる公務員叩き。
基本的に公務員は物言わぬ者であるので、サンドバックよろしく袋叩きとなる。
これも公務員の仕事(役目)だと割り切れば痛くもない。
我慢するべきは我慢していると、世に言う失策である年功序列である。
定期昇給を繰り返す。繰り返す。皆ほぼ同様に繰り返す。
この定期昇給と年功序列は、公務員の怠惰、惰性といった病を患わせるウイルスのように公務員の心を侵していく。
承知のとおり、公務員になって間もない頃、給料水準は低い。
この低く設定された給与がミソである。
毎年少しずつ昇給を重ねるが、上司をみるといつの間にか中流階級程度の給与水準となっていることを羨むこととなる。
一歩ずつ階段を上るうちに、ウイルスに侵された心はいつしか中流階級程度の給料で満足するように仕上がってくる。
大きな疑問を持つこともなく、中程度の人生を満喫する。
これが間違いの元凶だとは誰も気づかない。
数年単位での異動による探求心や向上心をを巧みに利用した罠
公務員には人事異動が待っている。
場所や業務内容が3年や4年単位で変動していく。
仕事を覚えた頃に異動させる。
これは、公務員の探求力を巧みに利用した仕組みとしか思えない。
国内には様々な法令や条例・規則等が整備されており、その解釈や判例等を加えると覚えておくべきことは山のようにある。加えて、行政的な判断を日々迫られる状況にある。
その業務内容は中々やりがいもあり、心くすぐるものがある。
ある日、異動を命じられ、新たな職場に疑問を抱くでもなく趣き、また新たな仕事を覚えるために業務に専念する。
これを繰り返していくと、仕事に対して一定の満足感と妥協が生まれるのである。
つまり、転職しようという向上心やモチベーションは揺らいでいく。
公務員を辞めると食べていけない?そんなの迷信ではないのか?
確かに昔はこう言われていた。
公務員も務まらないような人間は、民間では全く役に立たない。と。
果たして今もそうなのか。
先に述べたとおり、公務員はとてもノーマルで優秀だと考える。
時代は流れ、多くの人に同じ価値を提供していれば務まる時代ではなくなった。
今や、個々の人に対して、そのニーズに応えるかが問われている。
常に新しい要素を組み入れながら、ミスなくかつ効率、効果的な事業運営が求められている。
そんなことを日々実践している公務員が無能であるはずはない。
すぐにでも一流企業で営業であれ、仕組みづくりであれ、対応可能であると考える。
既に起業できるスキルを身に付けているのでは
今はクラウドワークスに代表されるように、どこかに所属しなくても十分な収入を得るチャンネルが増えているし、今後もこの流れはかわらないだろう。
お金の生み出し方は多様となり、知恵と行動力が大きな力となる時代といえる。
むしろ、知恵も要らないのかもしれない。
今、すぐに動き出した人が勝ち組に移れる。
稼ぎ方、仕組みづくりは動きながらでもできるはずだ。
公務員はどうか。
自分の信じる道へ愚直に突き進む術を持ち合わせているのではないか。
様々な困難にも適合できる知恵も持っている。コンピュータを使う技も持っている。
社会的な常識や礼節、事業規模に応じた勘所、コミュニケーション能力、頭に思い描く事業内容を紙に落とす能力、プレゼン能力、これら高いレベルで持ち合わせているのではないだろうか。
選択の時はきた。ルビコン川を渡るのだ!
今がその時だと考える。
私のパートナーにも今こそセカンドキャリアを追ってもらいたい。
むしろ追うべき時がきたと考えた方がよいかもしれない。
今後、東京オリンピックが終わり、人口の減少とともに日本の景気は一層落ち込むだろう。
今こそ、自分で生き抜く術を磨き、お金を稼ぐ力を身に付ける時がきた。
全体の奉仕者として、国民の幸せのための仕事も尊くやりがいのあるものだとは思うが、自分の思うように、したいことがしたいときにできるように、一歩前進すべきだ。
私は全力で応援する。
混沌としたこの時代をがめつく、家族と共に生き抜くのだ。
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